「怪我しても練習する人がエライ」って本当?真面目な人ほど陥る「修行僧マインド」から自分を解放する5つのステップ
時は1990年代。
私の勤める会社(以下、弊社)は自殺者を量産する企業でした。
弊社はSIer(システム開発会社)で、お客様にシステムを納めてなんぼ。
素晴らしい業績とは裏腹に
自社ビルから飛び降りる人が後を立ちませんでした。
実は自社ビルの窓は今も開けることはできません。
窓を開けて飛び降りた人がいるからです。
当時は長時間労働当たり前、過労死何それ?状態、
お客様の要件に100%応えるのが良しとされていた時代。
個人の事情や思いは無視され、
皆が一律、「会社の型」にはめられて働くことを求められていました。
アシュタンガヨガも「型にはめるシステム」では?
弊社の「自殺者大量」話をふと思い出して、ハッとしました。
「なんだか、今のアシュタンガヨガ界にそっくりだな」と。
型にはまった練習。
練習の結果、怪我や痛みが出ても、練習を継続するのが良しとされる空気。
結果的に、怪我や痛みに耐えきれなくなった人が
ひっそりとドロップアウトしていき、
型にはまり続けられる強靭な人(あるいは無理をして耐えている人)
にのみ、スポットライトが当たる。
これって、昔の弊社と全く同じ構造ではないでしょうか?
会社の型にはまって働き続け、
心身に影響が出ても歯を食いしばって働き続け、
定年まで完走する人が素晴らしいとされるということです。
ところで、弊社では今何が言われているのか?
個人の事情を尊重した上で、
それぞれの人が継続して働けるようにしましょう、
という教育が施されています。
私は幸いなことにその教育で育ってきており、
弊社も変わってきているので
パワハラセクハラ、長時間労働の押し付けに対して
はっきりNOと言える環境です。
自分でどんな働き方が最適なのか模索する必要がありますが、
会社とプライベート(育児)との両立はできています。
社会全体が「型にはめた働き方(悪)」から
「個人の事情に合わせた柔軟な生き方」へとシフトしているのに、
なぜかアシュタンガヨガの世界だけは、
いまだに「型にはめて練習し続けること」が美徳とされている。
私はこの現状に、猛烈な違和感を覚えるのです。
ヨガは修行ではなく「メンテナンスツール」
ヨガは「痛みに耐えて修行する」ためのものではありません。
自分の身体から出るエラー(違和感・痛み)を早期に検知し、
柔軟に対応するための「メンテナンスツール」であるべきです。
人間を「決まった型」に無理やり当てはめるのではなく、
その日の人間の状態に合わせて「型(練習内容)」を柔軟に変える。
それこそが、本当の意味での「個人の尊重」だと私は考えています。
「休むことは逃げじゃなく、エラー(怪我)回避ための行動」。
真面目すぎて自分を追い詰めてしまう練習生にこそ、
この視点を持ってほしいなと思います。
「型」の恐ろしさに打ち勝つための5つのステップ
「理屈はわかった。でも、実際どうやって今の練習を変えればいいの?」
そう思う方へ向けて、生徒サイドから
現状を変えるための5つの行動を提唱したいと思います。
最初にお伝えしておきますが、
これを実行するのはとても困難です。
先生への申し訳なさや、何より「自分自身との闘い」が
待っているからです。
- 先生に正直に話す
「怪我をしているから軽減したい・オリジナルで練習したい・練習も毎日は無理」と勇気をもって話す。 - (難しければ)宅練に切り替える。
同調圧力が強い環境なら、一旦シャラ(スタジオ)から離れ、
自分のペースでできる自宅練習に切り替える。 - 練習の中で自分の不調や痛みを自覚する
「できない自分」を責めるのではなく、
「今日は○○に痛みが出ているな」と客観的に観察する。 - 独自のシークエンスで実践する
時には伝統の順番を飛ばしたり、
自分に必要な動きを加えたりして、自分専用にカスタマイズする。
カスタマイズを複数パターン準備しておく。 - 「ありのままの自分」を受け入れる
最大の壁:アサナへの執着をどう手放すか?
この中で、最も難易度が高いのが「5」です。
これはすなわち「アサナ(ポーズ)の完成形への執着や、
シークエンスを全部こなすことを諦めること」。
これは、頭では理解していても、心が激しく反発します。
アシュタンガヨガに真剣にコミットしてきた人ほど、
「ここまで頑張ってきたのに」
「できない自分は価値がない」
と反発したくなります。
執着を手放すには、時間に癒してもらうしかありません。
「あぁ、今私は、アサナができない自分にイライラしているな」
「完璧にできないことを悔しがっているな」
まずは、そんな風に「葛藤している自分自身を、少し離れたところから観察する」だけで十分。
時間をかけてその葛藤を味わい尽くした先に、
「まぁ、今日はここまででいっか」と、
心から自分を許せる瞬間が必ずやってきます。
あなたのためのアシュタンガヨガを再設計しよう
社会が変わったように、
アシュタンガヨガという型に自分の日常をあてはめるのではなく、
アシュタンガヨガを自分の日常に合うように再設計しませんか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
皆さんは、アシュタンガヨガをどのようにアレンジして実践されていますか?
ぜひコメント欄で教えてくださいね。
相互にいいやり方を探っていきましょう。

