痛いアジャストは明らかなエラー!解剖学で読み解く、マリーチアーサナC・Dが日本人には「実現不可」なワケ
「マリーチアーサナCやDで、どうしても背中で手が繋げない…」 と、
悩んでいませんか?
結論を言います。
それはあなたの努力不足でも、柔軟性不足でもありません。
日本人の股関節は前捻角が強い傾向(18-20度)にある前提を踏まえると、
骨格構造的に、多くの日本人にとってリスクが非常に高いアーサナであり、
実現不可能である人が多いと言えます。
浮いた坐骨での「ねじり」は、絶対NG!
マリーチアーサナC・Dとは
片脚を自分の方に深く引き寄せて(股関節屈曲)、
反対側の脚を伸ばす、もしくは半蓮華座にし、
引き寄せた脚側に上体を捩じり(胸椎回旋)、
背中で手をつなぐアーサナです。
右脚を自分に引き寄せたときのマリーチアーサナCを想像してください。
あなたの右坐骨は浮いてますか?浮いてませんか?
もし浮いていたら。上体を捻る(回旋をする)のは今すぐ止めてください。
バイオメカニクスにおけるNG行動があります。
それは「側屈した状態の背骨に、強い回旋(ねじり)を加えること」。
片方の坐骨が浮いているということは、
背骨が横に曲がっている(側屈している)状態です。
この時、背骨の椎間関節はガチッと噛み合ってロックされています。
そのロックがかかった状態の背骨に対して、
無理やりねじりを加えたらどうなるか?
もうわかりますよね。
腰椎や胸椎がギチギチ音を立てる様子が目に浮かびませんか?
骨格(ハードウェア)の制限:「前捻角」という壁
「じゃあ、両方の坐骨をマットにしっかり付ければいいのでは?」と思いますよね。
しかし、日本人の骨格ではそれが簡単ではありません。
なぜなら前捻角が強いと股関節屈曲制限があるためです。
前捻角が強いということは、
大腿骨のネック自体が最初からかなり前方に突き出している状態です。
足を上げていくと、その「前方に突き出したネック」が、
すぐに寛骨臼の縁にカツンと当たるようになります。
つまり、筋肉の硬さではなく、
骨と骨の干渉によって股関節の屈曲制限がかかってしまうのです。
解決策:完成形への執着を捨てる
では、どうすれば安全にこのアーサナを実行できるのか?
- まずは両坐骨がしっかりマットに付くところまで、脚の引き寄せを緩める。
- 腹圧を入れて、天井から見えない糸で吊られているようにエロンゲーション(軸の引き上げ)を行う
- 背骨の間にスペースができ、真っ直ぐになった状態から、初めて胸椎の回旋をスタートさせる。
この時、おそらく多くの方は背中で手を繋ぐことが難しくなると思います。
ただ「完成形」という見た目に執着して身体を壊すくらいなら、
安全な未完成を選ぶのが正しい判断です。
なぜ私がこの記事を書いたのか?
理由はずばり、
私自身がマリーチC・Dで「くそ痛いアジャスト」を受けて、
身体を痛めた経験があるからです(笑)。
アシュタンガヨガで蔓延る、くそ痛いアジャスト。
あれは、個人の骨格の限界を無視して、
外部から強制的に動かそうとする
非常に危険な行為だと個人的には思います。
もちろん勉強されて適切な指導者の方がほとんどだと思います。
ただ、私のように、痛いアジャストで悲しい思いをする
生徒がいなくなるように。
そして、「自分が硬いからダメなんだ」と
自分を責める真面目な練習生が一人でも減るように。
私はこれからも理屈派の視点で発信し続けます。
【皆さんに質問です】
ヨガのクラスで、自分の身体の限界を超えた「くそ痛いアジャスト」を
受けて、戸惑ったことや、身体を痛めた経験はありませんか?
ぜひ、コメント欄で教えてくださいね。

