アシュタンガヨガは「古代から続く伝統」?|SE観点からの分析結果①
実は私はヨガ講師である前に、SEです。
ベースはインフラのSEであるため、アシュタンガヨガの構造に強く惹かれています。
SE視点から「アシュタンガヨガ」というシステムを解析していこうと思います。
アシュタンガヨガの歴史は長い?
ヨガと言えば、インドで古代から伝わってきているというイメージはありませんか?
そしてホットヨガの発祥は西洋だろうけど、
アシュタンガヨガはインド発祥でなんだか伝統的だというイメージはないでしょうか。
実は違うんです・・・
アシュタンガヨガの起源
アシュタンガヨガの創始者はパタビジョイス氏ということは広く周知されているかと思います。
これもご存じの方はご存じですが、パタピジョイス氏がゼロから創造したわけではありません。
師クリシュナマチャリアが1930年代に「スウェーデン体操」等の西洋身体操法と伝統ヨガを融合した「ヴィンヤサ」システムを作りました。
それをパタピジョイスが整理・体系化したものがアシュタンガヨガです。
なので、歴史としては100年もたっていません。
アシュタンガヨガは「ヨーガ療法」?
アシュタンガヨガのプライマリシリーズは「ヨガ・チキッツァ(療法)」と呼ばれます。
この字面を見て、「アシュタンガヨガのプライマリーをやれば、リハビリによい」と考えている方もいらっしゃいます。
しかし、違います。
本来のターゲットは、病人のリハビリではありません。
当時の現地の若者(学生・男性)の強靭な肉体と精神を作るための「基礎設計(土台作り)」です。
「ビリーズブートキャンプ」のようなもの。
アシュタンガヨガを現代に置き換えると、極端に言えば「ビリーズブートキャンプ」。
あくまでジョイス氏が作ったメソッドに過ぎません。
(ピラティスもそうですよね。)
ヨガにした途端、なんだか権威がありそう・・・と思われるかもしれません。
それはもしかすると、見えない「プラーナ」(中国で言う気)を扱うことに起因するかもしれません。
中国だと太古の昔から気を扱っていそう、だからアシュタンガヨガもなんだか古そう!という思考になりやすいのかもしれませんね。
が、思ったよりも歴史は長くはありません。
なぜ世界中で広まったのか?
1970年代に「何か本物のヨガはないか」と探求していたアメリカ人たちが
マイソールを訪れました。
そして、そのダイナミックな練習に魅了され、アメリカに持ち帰ったことで世界的なブーム(パワーヨガの源流など)につながりました。
ジョイス氏は何を西洋人に伝えたかったのか?
彼が西洋人に対して徹底的に重視したのは「理屈をこねずに、体を動かせ(Action)」ということでした。
ジョイス氏が「とりあえず体を動かせ」と強いた先に、西洋人(そして私たち現代人)に掴んで欲しかったもの。
それは、「マインドの沈黙」と、「知恵の獲得」「自分の中のアートマンを感じること」です。
1. マインドの沈黙
彼はよく、西洋人は思考(Mind)が働きすぎており、体(Body)が汚れている(Stiff)と見ていました。
だからこそ、哲学的な講義(座学)をほとんど行わず、「99% Practice, 1% Theory(99%の実践と1%の理論)」というスローガンで、とにかく黙ってハードな練習をすることを強いました。
その狙いは「思考が止まった時に初めて訪れる「静けさ」を掴む」こと。
2. 「知恵」の獲得
彼は、本で読んだり人から聞いたりした情報は単なる「情報処理(Knowledge)」に過ぎず、自分の体で汗をかいて感じたことだけが「真実(Wisdom)」だと考えていました。
「ヨガとはこういうものだ」という定義ではなく、「練習の後に訪れる、言葉にできない多幸感や安定感」そのものを、理屈抜きで体感してほしかったのです。
3. 自分の中の「アートマン」を感じること
パタピジョイスは敬虔なヒンドゥー教徒(バラモン)でした。
彼の世界観では、すべての人の内側に「アートマン」がいます。
しかし、体や心が汚れている(曇っている)と、それが見えません。
彼はアシュタンガヨガを「鏡を磨く作業」に例えていました。
体と心を浄化(デトックス)することで、汚れを取り除くことができるのです。
そして鏡を磨いた先に映るのが、自分自身の本来の輝きです。
彼は西洋人に、宗教を変えること(ヒンドゥー教徒になること)を求めたのではなく、「あなた自身の内側に、すでに素晴らしい存在(神)がいることに気づきなさい」ということを、説教ではなく体験として掴ませようとしたのです。
SE視点で思うこと。
人間の状態をシステムで例えてみます。
システムの目標は色々ありますが、まずは安定稼働です。
人間に例えるならば心が穏やかで、適切な判断ができ、他者に優しくできる状態が目標です。
基幹システムが心、それが乗っかるハードウェアが体です。
構築時は安定稼働していたのですが、システムに不具合が発見されました。
不具合は人間に置き換えるならば、ストレスや過剰な自意識です。
不具合の分析(座学)をしているぐらいならば、手を動かして(練習)さっさと直せ!そうすればシステムは直るだろうとジョイス氏は言いたかったのかなと思います。
※実際これを私がやったら先輩からメッチャ怒られましたけどね・・・システムはやっぱ直観では治りませんよ

